土木学会デザイン賞とは

趣旨

土木学会デザイン賞は公益社団法人土木学会景観・デザイン委員会が主催する顕彰制度です。2001年に創設され、正式名称は「土木学会景観・デザイン委員会デザイン賞」といいます。公募対象を広く土木構造物や公共的な空間に求め、計画や設計技術、制度の活用、組織活動の創意工夫によって周辺環境や地域と一体となった景観の創造や保全を実現した作品およびそれらの実現に貢献した関係者や関係組織の顕彰を行っています。顕彰活動を通じて、本賞が目指すところは下記の通りです。
  • ・優れた土木構造物や公共的な空間のデザインとその指針の提示。
  • ・創造的思考を持ち、デザイン力のある技術者の発掘と認知、普及。
  • ・美しい国づくりに資する計画や制度、設計、技術の向上について検証し、議論する土壌の確立。
  • ・優れた土木構造物や公共的な空間の蓄積による文化的で豊かな公共性を有する社会の実現。

理念

土木学会景観・デザイン委員会は、文化的で豊かな公共性を有する社会の実現のために、行政が整備し管理するというこれまでの公共施設のあり方を越え、市民が主体的に公共空間を使いこなすことが重要であると考えます。 一般的に、公共施設は人々の生活基盤づくりや防災、利便性の向上などを目的につくられます。これらの施設は、大地に固定され、不特定多数の人々に長期間使用されるという特徴から、地域の風景や人々の暮らしに大きな影響を与えます。 このとき、土木構造物や公共的な空間の質を向上させることは、地域の文明的・文化的基盤をより優れた環境として長期にわたり実現することに寄与し、市民がその公共施設や、それが創り出す地域の風景、それが支える人々の暮らしに、親しみと誇りをもつことに繋がると考えています。 これらを踏まえ、本賞では美しい国づくりに資するデザインの理念を以下のように掲げます。 優れた土木構造物や公共的な空間のデザインとは、当該施設の機能、歴史・文化・景観を含む地域固有の履歴、当該施設と人々の暮らしの関係性が考慮された上で、適切なコスト・資源によって、統合的な構造物・空間として実現されたものである。 それらは、既存の地形や水系、周囲の生態系とともに美しい風景をつくり、人々の豊かな生活を生み出す舞台となり、地域への誇りと愛着を醸成する生活・文化の創造に寄与するものである。

評価の視点

本賞の趣旨、理念に基づく評価の視点は下記の通りです。 ただし、これら全ての視点を満たすことが受賞の必要条件ではありません。
  • 技術と造形が調和したデザイン 技術と造形に対して、規範となり得る的確性、創造性または革新性を有し、周辺環境と構造物、全体と細部において、それらが調和することによってトータルな質の向上に寄与している作品
  • 時間の蓄積に耐えるデザイン 期待される機能を長期間発揮するとともに、時間が経つとともに作品を含めた空間全体の魅力や価値が増していくような工夫がなされている作品
  • 社会制度や仕組みのデザイン 作品の実現に向けたプロセスにおける事業手法、検討体制、維持管理など、現状の社会制度や仕組みに対して柔軟かつ適切な創意工夫がなされている作品
  • 豊かな公共性を有するデザイン 利便性や快適性の向上、環境との調和、様々な活動の許容など、利用者の観点から十分な考慮と工夫がなされ、かつそれらが適切なコスト・資金、資源 (資金、人的資源、使用材料、エネルギーなど) によって実現されており、豊かな公共性を有する作品
  • 地域の生活・文化創造に向けたデザイン 地域固有の歴史、文化、景観等について十分に理解するとともに、作品においてそれらへの配慮、工夫を行うことにより、地域の生活・文化創造の展開への寄与が期待される作品